おとといINSEE(フランス国立統計経済研究所)が発表した統計によりますと、2017年度のフランス財政赤字は大幅に縮小し、GDP比で2.6%となりました。

EU加盟国は、財政赤字を対GDP比3%以内に収めることが原則なのですが、ギリシャはもちろん、多くの国がEU基準を超える財政赤字を抱えています。フランスも2008年から2016年にかけてずっとEU基準を守れずにいたのですが、この度10年ぶりに財政赤字がGDPの3%未満まで下がりました。

2007年以降のフランスの財政赤字(対GDP比)をグラフで表すと次のようになります。

ちなみに上記の期間中、2007年5月~2012年5月がサルコジ大統領、2012年5月~2017年5月までオランド大統領、2017年5月14日以降がマクロン大統領となります。

昨年度の財政赤字縮小の主な原因として、INSEEは税収の上昇(+4%)を挙げています。中でも所得税と富裕税(ISF)からの税収が前年比プラス5.2%となったことが大きいようです。また国民健康保険機関の財政が2008年以降、初めて黒字に転換したことも影響しました。

欧州のリーダーとなりたいマクロン大統領にとって、フランスの財政赤字をEU基準内に収めることは非常に大切です。現政権が経済成長と財政の立て直しの両立を今後も実現してくれるよう、期待したいところです。