おとといINSEE(フランス国立統計経済研究所)が 、2012年度時点のフランスの会社員の平均時給に関する統計を発表しました。そのレポートによりますと、フランスの会社員の平均時給は18.7ユーロ(税引き前)だそうです。18.7ユーロは、2012年当時の為替レート(1ユーロ=102円)で計算すると1907円、今現在の為替レート(1ユーロ=120円)で計算すると2244円になります。

INSEEのレポートでは地域ごとのデータも出ておりまして、首都圏であるイル・ド・フランス地方の時給は23.9ユーロと、全国平均よりも28%も高い時給です。首都圏の時給が高い理由としては (1) 首都圏は管理職(Cadresと呼ばれるカテゴリー)の割合が高い、(2) 大企業が多い、(3) 金融機関が集中している、ということが挙げられます。イル・ド・フランス地方においては、管理職の割合が全体の28%を占めますが、それ以外の地域では僅か12%にしか過ぎません。

ちなみにフランスの法定最低賃金の時給(税引き前)は次のようになります。

2012年 : 9.40ユーロ
2013年 : 9.43ユーロ
2014年 : 9.53ユーロ
2015年 : 9.61ユーロ
2016年 : 9.67ユーロ

全国平均の時給である18.7ユーロと比べると、ぐっと低い時給です。最低賃金レベルで働いている人たちは果たしてどの位いるのでしょうか?INSEEの同レポート内で、【法定最低賃金 x 1.3】未満の時給で働く人たちの割合を地図上で示したデータが下記になります。

13-smic

(出典 : INSEE)

イル・ド・フランス地方では、【法定最低賃金x 1.3】未満の時給しか得られない職の割合が全体の23%ですが、例えばプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域(主要都市としてニースやマルセイユがある地域)ではその割合が36.6%にも上ります。

一見した限りでは高く感じるフランスの平均時給ですが、実際のところ、かなり多くの労働者たちが低い賃金で働き、一部の高所得者たちが平均値を上げている、という状況のようです。