私はフランスの金融投資アドバイザー(Conseiller en investissement financier、略してCIF)として業務を行なっています。

CIFになるためには資格や様々な条件をクリアーしなければなりませんが、ようやくCIFになったとしても、それで『一件落着』とはならないのです。

CIFはフランス金融市場庁が指定する6つの協会のどれかに属さなければならず、私は”La Compagnie des CGPI”という協会の会員です。

協会の規定により、2年ごとに60時間研修を受けることがが義務化されています。最新の税制やマーケット情報、そして様々な規制の改正に関する知識をアップデートし続けることが目的です。

しかも一昨年前から、毎年、フランス金融市場庁監修のテスト付き研修も必須となりました。テストの正解率が75%未満なら再試、それでも不合格であれば職業資格が剥奪されてしまう、という恐ろしい研修です。その研修が明日、あさっての2日間にわたり行われます。

しかも研修の1週間前になって「来週の研修前に、こちらのリンクの通信教育を受講しておくように。継続研修は4つのパートに分かれていて、それぞれにテストがあります。全て合格したら来週の研修&テストを受講できます」というメールが来たのです!去年は研修前の通信教育などなかったのですが、選択の余地はありませんので、仕方なくやりましたよ~。やっと通信教育が終了したら「このリンクから来週の研修の資料がダウンロードできるので読んでおくように」と書かれていたので、クリックしたら66ページの文書が出てきました(泣)

できることならテスト付き研修に備えて試験勉強に集中したかったのですが、そうはいかない事情が出てきてしまいました。

先程、私がフランス金融市場庁公認の協会に所属していることをお話ししましたが、協会は、会員がCIFとして規制に則りながら、責任ある業務を行うように非常に厳しく監督を行っています。4、5年ごとに監査もあります。その監査が、よりによって来週、入ることになってしまったのです。

監査は通常、2週間前に突然連絡が来て「x月x日に監査が入りますから、その日までにこのリストにある書類を全てメールで送るように」と言われます。リストには30種類以上の書類があり、しかも監査の度に新しい書類が追加されているので、準備に莫大な時間がかかるのです。監査に備えて過去の書類も全てチェックしなければなりませんし、もう本当に大変・・・。

起業11年目の私がこの監査を受けるのは、今回が3度目になります。きちんと仕事をしていても、やはり監査というのは嫌なものです。しかも「この文書には、この文言も入れておいた方がいい」、「以前は必要なかったけれど、この書類にはお客様のご署名も入れなければならないことになったので、署名をもらっておくように」など、必ず監査の後にやらなければならないことが『宿題』として出されるのです。来週の監査が終わってからも、また一仕事しなければならないのか、と思うと気が重いです。

自営業者に対してここまで厳しいコントロールを行うとはすごいことだな、と思いますが、これらの措置は全て、仏金融市場庁が顧客の利益を守るために行っていることです。私のような職業に就く者が、正しい知識を持たず、規制を守らず、お客様の大切な資産運用のアドバイスをしたりしたら、それこそ大問題ですからね。私にとっては強烈に大変ですが、お客様に安心して当社のサービスを受けていただくには必要なことですので、頑張って乗り切りたいと思います。