私の職業は、金融投資アドバイザーです。この職業に就く者は、フランス金融市場庁に認められた4つの協会のいずれかに所属しなければなりません。各協会は、アドバイザーが規制を守りながら業務をこなしているかどうか、定期的に監査を入れます。そしてフランス金融市場庁は、各協会に監査を入れ、これらのチェック機能がうまく回っているかを確かめるのです。

お客様がご相談にいらっしゃる際に、アドバイザーが踏むべき手順を、フランス金融市場庁は次のように定めています。

1. まず最初に、アドバイザーは顧客に『業務開始レター』を渡す。(補足説明 : 『業務開始レター』には、そのアドバイザーがどの協会に属していて、どの会社とパートナー提携を結び、どのような業務を行う資格を持っているか、など、金融投資アドバイザーに関する法的な情報が記載されています。)

2. アドバイザーは顧客の財政状況、金融知識、投資目的などに関する情報を収集する。顧客が情報提供を拒む場合、アドバイザーは金融投資のアドバイスを行ってはならない。

3.「どのような業務を行うのか」が記載された『ミッション・レター』を顧客に渡し、その後、書面にてアドバイスを渡す。

この手順を踏むことより「正式に登録した金融アドバイザーが、規制に基づき正しく業務を行い、お客様の目的に最適と思われるアドバイスをした」ということを、顧客とアドバイザー、双方が確認していること明確化されます。

規制に関する書類は、アドバイザーの署名入りでお渡しし、尚且つ、受領印の意味でお客様にもご署名をいただかなければならないことになっています。「ご署名をお願いします」などと言われると不安なお気持ちになられるかもしれませんが、これらの書類はフランス金融市場庁が消費者を守るために義務化しているものです。

当社にご相談にいらっしゃるお客様は最初、「え?こんなに多くの書類に署名しなければならないの?」と驚かれますが、状況をご説明すると皆様「そういうことでしたら、安心して相談できます。」と仰ってくださいます。

これらの規制が義務化された直後は「規制に関する書類の準備に時間が取られて、困ったものだ」と頭を抱えてしまいましたが、今では「こうしてきちんと手順を踏むことにより、お客様にプラスアルファの安心感をご提供できてるのだから、これも大切な業務の一つだ。」と考えられるようになりました。規制のために仕事が増えて大変ではありますが、これからもしっかり規制をクリアーしながら頑張ります!