先週、レッグ・メイソン社が世界17カ国で行った投資に関するアンケート結果が発表されました。フランス人の投資に対する考え方がとても正しく反映されていましたので、こちらにご紹介させていただきますね。

アンケート対象となったフランス人の30%が『その日暮らしをするよりも、将来のために貯蓄・投資をしたい』と答えているのですが、それでは貯めたお金をしっかり投資しているのかというと、そのようなことは全くなく、なんと56%の人たちが『預金はしているけど、全く投資に回していない』と答えています。56%という数値は、今回の調査対象となった日本も含む17ヵ国の中で最大です。

また、リスク許容量に関する質問では、半分のフランス人が『自分は比較的保守的だ』、3分の1に当たる人が『非常に保守的だ』と返答しています。

私が個人的に面白いなと思ったのは、「今後12か月で一番投資のチャンスがあると考えるアセットは?」という質問で、不動産と答えた人が52%、グローバル株が22%、フランス株が20%だったことです。

低金利に支えられ価格が高騰しているパリの不動産市場では、2017年第1四半期における年間上昇率が+5,5%と、確かに強気相場です。しかしながら、フランスを代表する株価指数CAC40のパフォーマンスはそれを遥かに上回り、ここ1年で20%強の上昇を見せています。

直近では明らかにフランス株の方が高い収益率を見込めるのではないか、と私なら思っていしまいますが、フランス人のDNAには「一番安心確実なのは不動産」という考えがインプットされていますので、このようなアンケート結果になるのでしょう。

『アリとキリギリス』のお話で例えると、明らかにアリに当たるフランス人。せっせと貯蓄はするけれど、株などのリスク商品は嫌い。投資をするなら不動産に限る、と思っている、ということなどがはっきり浮き彫りとなっていて、フランス人の特徴を見事にとらえた調査結果であると感じました。