フランスでは確定申告の時期がやって来ました。地域ごとに申告期限が異なり、パリ地域にお住いの方がインターネット申告をされる場合、期限は6月6日まで、となります。

以前は申告を郵送で行うか、ネット経由にするかを自由に選べましたが、今は違います。今回の申告においては、『2015年度の参照課税所得(revenu fiscal de référence)が28 000ユーロ(約340万円)以上の世帯はネット申告が義務』となっておりまして、来年は更に対象世帯が増える予定です。仏税務署は2019年までに原則、全ての世帯がネット申告を行うことを義務化する予定なのです。とは言え、インターネット接続がない世帯や、例えば高齢者の方でネットに不慣れな方などは、今後もペーパーでの申告が認められる模様です。

確定申告の際に申告するべき項目は、所得だけではありません。フランス国外に銀行口座などをお持ちの方は、確定申告の際に、銀行名や銀行口座などの情報(残高を知らせる必要はありません)も記載しなければならない、というきまりがあるのです。申告しないと、一口座につき罰金が1500ユーロ(約18万円)課せられます。もしその口座が『脱税防止のための条約を締結していない国』に存在する場合、罰金額は10 000ユーロ(約122万円)に跳ね上がります。日本はもちろん、条約を締結しています。

ちなみにフランス政府は、『海外口座を申告していなかった場合、残高の5%に当たる金額を罰金として徴収する』という法律を導入しようとしていたのですが、「単に海外口座の存在を知らせていなかった、という理由だけで、残高の5%を国が取る、というのはいくらなんでも行き過ぎだ」ということで、昨年7月に、この法案は憲法評議会により違憲判決を下されました。これまで海外口座を申告し忘れていた方々は、ほっと一息ですね。

しかしながら『海外口座を利用して脱税をしていた』となりますと話は別です。例えばその海外口座内で所得や相続・贈与を受けたなどの理由で、本来であればフランスで納税義務があるにも関わらず、脱税していた場合は、重いペナルティーが課せられます。

脱税の取り締まりは年々厳しくなる一方ですので、正直に申告するに限ります。海外口座の申告に必要は情報は、こちらのフランス政府のサイトよりご確認いただけます。