INSEE(国立統計経済研究所)が6月18日に発表した経済レポートの中で、興味深い記事がありましたのでご紹介いたします。

フランスのインフレ率は、欧州他国よりも順調に下落しています 。2022年のインフレ率は5.2%、2023年は4.9%、2024年が2.0%、2025年5月時点では0.7%に低下しました。年末には1.1%になるだろうとINSEEは予測しています。

ボーナスも含めた平均給与の上昇率は2023年が+4.1%、2024年が+2.6%で、2025年第1四半期は+2.4%と、相変わらず堅調です。

インフレは落ち着き、給与は上昇し続けているのですから、家計が消費を増やしているのかと思いきや、残念ながら家計消費の変動は2023年が+0.7%、2024年が+1.0%で、2025年度は+0.7%へと下がってしまうことが予想されています。

人々は消費よりも貯蓄を選択しているようで、2025年第1四半期の貯蓄率は18.8%と、史上最高の数値を記録しました。

消費が増えない理由は、様々な要因が絡み合っているようですが、INSEEは不確実性の高さや、インフレ実感率が依然として高いこと、などを挙げています。

どうやらマーケットに限らず、様々な分野において、『不確実性』が今年のキーワードになっているようです。